ホトトギスとウグイスはそれぞれ全く違う種類の鳥ですが、2つの鳥には奇妙な関係性があることをご存じでしょうか?

ホトトギスは一種の寄生とも呼ぶことができる托卵(たくらん)という性質を持ち、ウグイスに托卵させています。

今回はその驚きの実態について詳しくご紹介していきます。

ウグイス ホトトギス 寄生 托卵

ホトトギスの托卵性の意味とは?

ホトトギスは托卵性の鳥で自分で巣を作ることはもちろん、子育てまでも他の鳥に任せるという寄生的な習性を持っています。

托卵性の鳥は日本ではホトトギスを入れ4種類生息していますが、ホトトギスはほぼウグイスにのみ托卵すると言われています。

ではどのように托卵が行なわれているのでしょうか?

ホトトギスとウグイスの卵が似ている理由とは?

ホトトギスを含めた托卵性の鳥は仮親の卵に似た卵を産むと言われており、ホトトギスはウグイスの卵とよく似たチョコレート色の卵を産みます。

ホトトギスはウグイスが巣を空けた隙を狙い、巣の中にあるウグイスの卵を1個または数個外に持ち出し、ウグイスの巣の中にわずか数秒で自分の卵を1個産み、飛び去っていくと言われています。

見た目が似ているためかウグイスが巣に戻ってきても気付くことはなく、自分の卵と同じように温めて孵化させます。

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ウグイスのヒナが無事に育つことは少ない

ホトトギスのヒナはウグイスよりも数日早く孵化すると言われており、ホトトギスのヒナはウグイスの卵を自分の背中に乗せ外に放り出してしまいます。

小さなヒナにとってウグイスの卵を運ぶのは重労働ですが、ホトトギスのヒナは日を追うごとにどんどん成長するため仮親のウグイスの隙を狙って、巣の中のウグイスの卵を全て放り出してしまいます。

そのため、ホトトギスのヒナとウグイスのヒナが一緒に育つことは難しく、そのような状況を目にできるのはごく稀といえるでしょう。

場所によってホトトギスの寄生率は4~6割

ウグイスは自分の卵が巣の外に転がっていっても、巣の外に出たものにはほとんど興味を示さないという習性があり、ホトトギスはそういったウグイスの習性を賢く利用していると考えられています。

そのため巣に残ったホトトギスのヒナを自分の子どもと認識し、愛情を持って育てようとします。

このようなホトトギスのウグイスへの寄生率は場所や季節によっては4~6割に達することがあると言われています。

ウグイスの繁殖期がホトトギスよりも期間が長いことがせめてもの救いといえるかもしれません。

まとめ

ホトトギスは托卵性の鳥でウグイスが主な寄生先と言われています。

ホトトギスとウグイスの卵はどちらもチョコレート色をしていますが、これは托卵する仮親のウグイスの卵にホトトギスが色を似せているためと考えられています。

ウグイスはホトトギスに自分の卵を全て捨てられ、ホトトギスのヒナを自分のヒナとして育てていきます。

ホトトギスの多い地域ではウグイスの繁殖に影響を与えますが、ウグイスの繁殖期がホトトギスよりも少し長いのがせめてもの救いといえるでしょう。

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